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日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

世の中を変えたくなったら…ロビイ活動のしかた

先日、ロビイングのセミナーに行ってきました。

国にお願いしたいことができたときのために、知っておいた方がいいと思いまして。

講師は、国会議員の現役の秘書さんです。

 

世の中を変えるにはどうしたらいいのかといいますと……。

 

①まず、ターゲットとなる国会議員を決めます。自分のお願いに関連する分野の専門家といわれている人がいいようです。どの分野にも専門家の議員がいるそうです。

それと、どの政党の国会議員にするか、も大事です。政策にからめて、この問題を熱心に扱ってくれそうな政党を選ばないといけません。

 

ターゲットとなる国会議員を決めたら、会いにいって、お願いを聞いてもらわなくては始まりません。しかし、当然、いきなり出かけていっても会ってもらえません。

ものには順序というものがあり、国会議員に会いたいときに有効なのは「紹介」なんだそうです。

②そんなわけで、その議員にたどりつくための「紹介」の道筋を考えます。

例えば、Aさんという国会議員に会いたい場合、Aさんと同じ党の、自分の身近にいる市議会議員Bさんに近づきます。そして、自分が何をしたいのかを熱く話し、Bさんに味方になってもらって県会議員Cさんを紹介してもらいます。次に、県会議員のCさんのもとへいき、何をしたいのかを熱く語り、味方になってもらって国会議員のAさんを紹介してもらうのです。

 

「紹介」の道筋を通っていよいよ国会議員さんと面談となるわけですが、事前にアポをとっても、面談の場にご本人が出てこないこともあります。秘書さんかもしれません。

秘書さんはこちらが用意した資料を受け取り、一応、話を聞いてくれるでしょうが、その後、対応してもらえるかどうかはわかりません。放置される可能性が高いそうです。各議員のところには、各業界団体、地元の後援会などから常にたくさんのお願いが持ち込まれるからです。

③議員の票集めに協力できる方法はないかを考えます。

たくさん持ち込まれるお願いの中から、議員に選んでもらって対応してもらうためには、優先順位の上位の人にならなければいけません。上位の人というのは、その議員の後援会の幹部やバックに巨大な組織がある人です。

つまり、「こうするのが世の中のためです。お願いします」みたいに個人がお願いしたところで、おそらく無理だということ。

自分は票集めにどんな形で協力できるのか、それを考えておく必要があります。

要するに、ギブ&テイクが成立しないと動いてもらうのは難しいのです。

当たり前のことながら、票につながらないと、動いてもらえません。

だから、自分ひとりで突っ走るのではなく、例えば、同じ問題意識を持つ仲間を集め、組織として活動するとか、あるいは、主張に賛成してくれる団体をたくさん集めるとか、したほうがよさそうです。

 

 ただし、これがすべてではありません。

マスコミなどで頻繁に取り上げられていて、世間で問題視されているテーマで、本当に、すぐにでも世の中のためになんとかしたほうがいいことが明らかであれば、見返りは求めずに議員が動いてくれる可能性もある、とのことです。

 

だから、やってみなくちゃわからない! ということです。

教職員の働き方改革、ネット署名が始まる

教員の長時間労働の縮減に向けて、かなりうれしい、新たな動きが出てきました。

大学教授や過労死遺族などが「教職員の働き方改革推進プロジェクト」という団体をつくり、5月1日から、「教職員の時間外労働にも上限規制を設けて下さい!」に賛同を求めるインターネット署名を始めたそうです。

6月に文部科学相厚生労働相に提出する予定で、最終的には20万人の署名を目指しているとか。

 呼び掛け人として、教育評論家の尾木直樹さんなど14人のお名前が挙がっています。このラインナップを見る限り、これはかなり強力というか、行動力に期待できるのではないでしょうか。私がお会いしたことがある名古屋大准教授の内田良先生、明星大学教授の樋口修資先生、東京大学教授の本田由紀先生も入っています。

 

署名は「change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」のサイトで受け付けています。

教員の長時間労働を縮減するために…実践例をつくる

前回、このブログで「教員の長時間労働が改善されないのは、教員がロビイ活動をしないからだ」と書きましたが、実はもうひとつ、改善するための方法があります。

 

それは、実践例をつくってしまうことです。

先日、文部科学省ではないんですが、ある省で働いておられる方とお話しする機会がありました。せっかくなので、「要望があるとき、どうやったら省に実現してもらえるのか」と聞いてみたのです。

その方いわく、「いきなり、『こうしてほしい』と言われても、それが正しいことかどうかわからないので、省として動くのは難しい。どこかの市などで実践してみて、『これをすると効果があります』という結果をもってくれば、話は早い」とのことです。

 

つまりですね、どこかの市教委の指導のもとで、管理職が教員の出退勤の時間管理をしっかりやり、各教員が時間外勤務をした時間数を貯めていって、夏休みや冬休みに貯まった分だけ休むようにするのです。そして、実際に長時間労働が縮減したという結果を出し、それを国に報告することが求められているのです。

 

かなり、勇気のいることだとは思いますがやってみないことには始まりません。

ぜひ、チャレンジしていただきたいのですが、いかがでしょうか。

例えば、Y市は夏休みに完全閉校日をつくっていますよね?

Y市の市教委の皆様、いかがですか?

教員の長時間勤務が改善されない政治的な理由

先日、このブログで「教員の長時間労働の縮減のためには給特法の改正が必要」だと書きました。何をすればいいのか、わかっているわけです。

にもかかわらず、なぜ法改正へと進んでいかないのか、というのが私の疑問でした。

 

それで、ある国会議員の現役秘書さんのセミナーで勉強してきました。

 

結論からいいます。

教員の皆さんが待遇改善のためにやらなくてはいけないこと……それはロビイ活動です。

 

日本にはいろんな業界団体があります。

例えば、看護師さんの団体、保育士さんの団体……。

各団体にはロビイ活動をする人がいて、自分たちの要求を通すために、その業界を票田というか、専門分野としている議員さんに働きかけているそうですよ。

なんたって全国組織ですから、会員は多いわけで、議員さんも無視はできないですからね。

しかも、各団体には門外不出のロビイングのやりかたがあって、代々伝えられているとか……。

 

国会議員のところには、あちこちからたくさんの陳情があるわけです。

当然、扱いは平等じゃありません。

後援会の会長とか、やっぱり、そういう人からの陳情が優先されます。

いきなり個人が訪ねていったって、優先順位は低いわけです。

つまり、「全国の教員は〇〇党の国会議員Aさんを応援します。だから法改正をよろしく」みたいな話を組織として持ちかけないと、この国では物事が進んでいかないってことです。

そういうしくみになっているんです。

 

教員はどうでしょうか…。

組合はありますが、私の知る限り、どうやら誰もロビイ活動をしていないんじゃないかと……。

 

政治がからんでくると、「教員は政治的中立性が大事なんだ」とおっしゃる方もいるかと思います。児童生徒の前では、政治的な中立性が大事ですよね。それはもちろんです。

でも、教員の働き方を変えるためには、政治的な力を使うことが必要なんじゃないかと思いますよ。教員は全国にたくさんいて、きちんとまとまれば、大きな力になりうるんですから。

 

現在は、教員は忙しい→ロビイ活動をする人がいない→問題が放置され続けるという悪循環にまっています。

このままでは、ずっと、ずーっと続きますよ。

未来のためには、この悪循環から抜け出す必要があります。

それには…教員が新たに団体をつくり、その団体がロビイングを誰かに依頼するのが現実的なのかな、という気がします。

丸投げが許されないなら、教員数を増やしてほしい。

本気で教員の長時間労働を縮減しようと思ったらですね、極論すれば、丸投げすればいいんだと思います。

小学校の場合でしたら、英語も、道徳も、総合的な学習の時間も、体育も、音楽も、家庭科も、業者に任せてしまうんです。担任は教室にいかなくてもいいのです。完全に丸投げです。

でも、そんなことできるわけがない、とみなさんきっというでしょう。

担任がいなくちゃ授業にならないと。

教育の質が落ちると。

先生たちも、文科省も。

世間の人たちも、「教育の質を落としちゃいけない」にきっと賛成です。この国の未来を担う子どもをちゃんと教育してもらいたい、というのです。

 

丸投げが無理だとしたら……教育の質を落とさずに、教員の長時間労働を縮減する方法を考えなくてはいけません。

その一つはですね……教員の人数を増やして一人あたりの受け持ち授業数を減らすことです。

教員の勤務時間は1週間で38時間45分です。

小学校の教員は現在、週23、24時間の授業を受け持っています。

引き算をすると、残りは約16時間。

週5日ですから、1日あたり3時間ぐらいです。

授業は5時間目まであります……授業の準備に何時間かかると思います?

そのほかにも、事務作業、行事の準備、会議などもあります。

勤務時間内で仕事が終わるわけがありません。

現在の日本の教育水準は、明らかに教員の長時間労働に支えられているのです。

 

この構造を変えるには、教員の人数を増やして、受け持ち授業時数を減らす必要があると思われます。

例えば、1クラスに担任を2人置いて、担当する授業を完全に分担するとかね。あるいは、3クラスの授業時数を5人の教員に割り振るとか。

方法はいろいろあると思うんです。

 

「業務改善をしましょう」と言ってるだけでは、仕事量はたいして減りません。

一般企業はワーク・ライフ・バランスを実現しようとする動きがありますが、このままだと、教員に限っては長時間労働の縮減をあきらめてもらうしかない、それが現実ではないでしょうか。

なんとか教員の数を増やすことを検討していただけないでしょうか、文科省様。

教員の長時間労働の縮減には、給特法の改正が必要

教育雑誌では、毎年、「長時間労働の縮減のためにはどうしたらいいのか」というテーマの特集を組むことになっています。もう何十年間もずっとです。

たいてい記事の内容は業務改善でした。学校レベルでできること、教員レベルでできることを紹介してきました。

でも、全然改善しなかったのです。

 

今年も私はこの特集を担当したのですが、今までとはちょっと違いました。

今年は法律的な面を取り上げたのです(詳しくは「総合教育技術」2017年5月号をごらんください)。

そこから見えてきたのは、長時間労働の縮減には、給特法を改正する必要があるのではないかということです。

 

給特法は、昭和47年に施行されました。正式には「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」といいます。

地方公務員の勤務時間は一日7時間45分、週38時間45分と定められています。それを超える時間外勤務をした場合は、労働基準法第37条に則り、時間外勤務手当、休日勤務手当を支払うことになっています。

教員は地方公務員ですから、本来ならばこうするべきなのですが、給特法で労働基準法第37条が適用除外にされているのです。

その理由は、「教員には夏休みなどの長期休暇があるし、自発性、創造性に基づく勤務を期待している」から、他の労働者のように勤務時間を測定するのは難しいと、昭和47年に判断されたからです。昭和47年ですからね。もう大昔の話です。

そのかわりに、給料の月額の4%を教職調整額として支給することにしたのです。教員はどうせみんな残業するだろうから、あらかじめ4%分を多く払っておくから、時間外勤務手当は払わないよ、ということです。

給特法の問題点1●歯止めになっていない

そして、教員の時間外勤務の増大に歯止めをかけるために、給特法では「学校は教員に原則として時間外勤務を命じてはいけない」ことにしたのです。ただ、臨時または緊急の場合は時間外勤務を命じることができるようになっています。これが「超勤4項目」と呼ばれるものです。①生徒の実習、②学校行事、③職員会議、④非常災害の場合、児童生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合の4項目です。

しかし、教員は上記の①~④で時間外勤務をしているわけではありません。教員は学校の命令ではなく、自主的に時間外勤務を行っていることになっています。つまり、給特法は長時間労働の歯止めにはなっていないのです。

給特法の問題点2●勤務時間に無頓着になった

学校は、時間外勤務手当を払う必要がないわけですから、教員の労働時間を把握する必要がありません。最近は校務支援システムの導入で出退勤をチェックする学校もありますが、全国には、今でもタイムカードさえない学校もあるのです。最近は以前に比べれば、勤務時間への意識が高まってきたかとは思いますが、「働きたければ、好きなだけどうぞ」という状態にずっとなっていたのです。

 

給特法の問題点3●時間外勤務手当を払えない

それなら、「給特法を改正して、教職調整額を支払うのをやめて、働いた分だけ時間外勤務手当をきちんと払えばいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし、それは現実的ではありません。全国の教員に、今の状態で時間外勤務手当をきちんと払おうと思ったら、それはそれは大変な金額になり、その財源が確保できないからです。

 

◎給特法をどのように改正するか

では、給特法をどのように改正したらいいのかというと、連合総研の報告書(昨年12月公表)で提案されている調整休暇制度の導入が現実的ではないかと思います。

例えば、教員が時間外勤務をした場合、現在の教職調整額の範囲内で時間外勤務手当を支給します。それを超える分は、時間外勤務をした時間を貯めていって、夏休みや冬休みなどの長期休暇中にその分だけ休めるようにするのです。

ただ、これを実現するには、夏休みや冬休みの使い方を変える必要があります。例えば「半月間、完全に学校を閉める」とか、ですね。この決断ができるのは文科省です。

文科省の皆様が思い切って、「長期休業中は学校を閉める」という決断をしてくだされば、教員の長時間労働の縮減はできるのではないでしょうか。

学校に、〇〇教育はいくつあるのか。現在34!

学校に関する資料を読んでいると、必ず出てくるのが「〇〇教育」という言葉です。ものすごくたくさん種類がありまして、先生たちは教科の教育以外に、こういうことも学校で教えているわけです。各教科の活動や総合的な学習の時間などにうまく取り入れながら。

そして、これが学校、先生たちを忙しくさせている原因の一つでもあります(この他に、〇〇活動、〇〇学習もありますからね)。

〇〇教育はたくさんありすぎて、教員さえ、全部でいくつあるのか知らないはずです。自分の学校ではやってない〇〇教育が、山ほどあるからです。

ふと、いったいいくつあるのかを数えてみようと思い立ち、調べてみました。

 

情報教育、ICT教育、著作権教育、ネットリテラシー教育、ネットモラル教育、プログラミング教育、

特別支援教育、人権教育、主権者教育、戦争教育、性教育、小中連携教育、オリンピック・パラリンピック教育、消費者教育、

環境教育、安全教育、交通安全教育、自然体験教育、福祉教育、

キャリア教育、規範意識教育、道徳教育、心の教育、

英語教育、国際理解教育、ボランティア教育、多文化共生教育

食育教育、健康教育、

博物館教育、動物愛護教育、図書館活用教育、NIE教育(新聞を学校教育に取り入れる)、掲示教育

 

今日のところは、34です。すごいですね~。

もちろん、一校で34の教育を全部やってるわけではないですが、各校が、複数の〇〇教育を行っているのは事実です。

新たに見つけ次第、更新します。

「こんなのもあるよ」と、知ってる方がおられましたら、情報提供をお待ちしています。