日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

教育漫才を小学校の国語の授業で扱って欲しい!

12月9日(金)に、越谷市立新方小学校へ行ってきました。 教育漫才大会を見るためです。 教育漫才は、新方小学校の田畑栄一校長が考案しました。 いわゆる普通の漫才とは違って、2つのルールがあります。 1 悪口などのマイナスな言葉を使わない 2 蹴った…

通常の学級に在籍する小中学生の8.8%が発達障害の可能性

10年ぶりの調査で、通常学級に在籍する発達障害の小中学生の割合が公表されました。 文科省の調査によりますと、通常の学級に在籍する小中学生の8.8%が学習や行動に困難のある、発達障害の可能性があるそうです。 2012年の前回調査から2.3ポイント増えまし…

デジタル化で、学校の先生の役割が変わる……希望的観測

先日、ある医師の記事を読みまして、「これは学校現場にも通じるのではないか」と感じましたので、書いておきます。 記事の内容をざっとまとめますと……。 その医師の専門は、がん治療です。以前は、スーパードクターみたいな人がいて、その人の手術を受ける…

不登校児童生徒の増加と「頑張りすぎてしまう」人々

本日のテーマは、不登校です。 令和3年10月13日に文科省が公表した「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」を見てみますと、小・中学校の不登校児童生徒数は196,127人(前年度181,272人)であり、前年度…

教員の「働き方改革」が進まない理由…必要なのは団結

小中学校の先生たちは、あれもこれも任されて、本当に大変だと思います。 だから、もう少し待遇の改善を進めてほしいものですが、全然進みません。 何十年もの間、混沌としています。 なぜそういうことになっているのか、私が思うに、主張がバラバラすぎるか…

文科省は、アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいる

教員免許更新制度の廃止の話から、いろいろ考えてみました。 教員免許更新制の廃止に向け、教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案が2022年2月25日に閣議決定されました。国会で成立すれば、施行期日は7月1日だそうです。 この法案に関連…

学校のオンライン授業 問題は通信回線

新型コロナウイルスの感染状況が厳しい中で、多くの小中学校は新学期を迎えました。 まずは、先生ではない方々に、知っておいていただきたいことです。 ご存じのように、GIGAスクール構想によって、全国のほとんどの小中学校の子どもに一人一台の端末が…

ワクチン接種と一人の重み

新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいます。 私は接種するつもりですが、まだです。自治体の対象年齢ではないためです。 ワクチン接種について考えるたび、気になることがあります。それは「一人の重み」です。 新聞社のネット記事を読みますと、ワク…

日本の子どもの自己肯定感とGIGAスクール構想

日本の子どもは自己肯定感が低い、これはもう、ずっと前から言われてきたことです。 でも、私はこれを聞くと、もやもやします。 なんか違うんじゃないかと、重要なことが抜けているんじゃないかと、疑ってきました(笑)。 最初に申し上げておきますと、もち…

子どもの管理強化と教員の「働き方改革」

最近、学校をひんぱんに訪問する人たち(大学教授たち)からよく聞くのは、学校が管理的になっている、ということです。 数年前から、学校がスタンダードのようなものをつくって、授業中に机の上に置いていいものはこれ、無言給食、無言清掃……など、子どもた…

小学校の教科担任制と「専門性の向上」への懸念

2022年度から小学校の高学年に教科担任制が導入される見込みとなりまして、今月はその取材をしていました。 教科担任制については、地域によって実施状況にばらつきがあります。 故郷の群馬県では、私が小学校のころですから、もう何十年も前から一部教科担…

子どもに端末1人1台が実現しても…これでいいの!?

新型コロナウイルスの感染拡大によって、オンラインで、学校と子どもがつながれるようにしておかないと、休校になったとき、全然学習が進まないと、誰もが思い知りましたよね。すでに、外出禁止になっても授業をオンラインで進めていた国はあるようですし、…

3密と新学習指導要領

政府は、緊急事態宣言の解除基準を14日をめどに公表すると発表しました。 本当はもっと早く示してほしかったと、個人的には思います(一応、東京都民のご意見窓口のようなところに、連休前に、基準を示してほしいとメールを送ってみましたが、当然、スルーさ…

先生方、もっと学校HPを活用してはどうでしょう。

緊急事態宣言が5月末まで延長されることになりましたので、多くの小中学校の休校も延長されます。そうすると、「うちの学校でもオンライン授業をしてほしい」という要望が、保護者から寄せられることになるでしょう。 でも、そんなに簡単にできるものではあ…

オンライン授業を実施している熊本市から学ぶこと。

公立小中学校の場合、現在、オンライン授業ができる学校とできない学校があり、教育格差が生じるのでは……と問題視されています。 そんな中で成功例として紹介されることが多いのは、熊本市です。 現在、熊本市内の全小中学校でオンライン授業を実施している…

9月入学…4か月後に実施するのは反対。実施するなら段階的に。

全ての学校を9月入学にしろと、 高校生が署名活動をしているそうですね。 こうやって高校生が自分たちの主張を持ち、行動を起こすこと事体は、素晴らしいと思います。 小学校、中学校、高校の先生たちが、アクティブラーニングや主権者教育を行ってきた成果…

児童生徒1人1台コンピュータ配備……今、どうなってるのか。

〇〇市では双方向のオンライン授業を始めた、などと話題になっております。 うちの地域ではどうなってるんだ、と思う保護者の方、知識人の方もいることでしょう。 双方向のオンライン授業を行うには、子どもが家庭で使うためのコンピュータや端末が必要です…

この歴史的転換期に。先生たちを応援しています。

2020年度の全国学力・学習状況調査が中止されました。 この全国学力調査は2007年から実施されていますが、中止されたのは二回目です。 一回目は、2011年。東日本大震災の年です。 つまり、この全国規模の調査が実施できること自体が、平和の証であったのだな…

全国学力・学習調査は何のためにするのか、知っていますか?

新聞などで「全国学テ」と呼ばれている、全国学力・学習状況調査(以下、全国学力調査)は、毎年4月に実施されておりましたが、2020年度は延期となりました。 今の、先が見えない状況を考えますと、それは仕方のないことかなと思います。 ただ、ネットなどを…

教員が足りない、では、どうすればいいのか

教員の働き方改革に関連して、必ずでてくるのは「教員を増やすべきだ」という話です。忙しすぎるのは人の数が足りないからだと。 中教審の偉い人たちはちょっと言い方が違って、「教員定数を改善すべきだ」というのです。こちらは人数を単純に増やすのではな…

「働き方改革」の難しさ

2019年12月に、給特法の改正法案が国会で成立しましたので、自治体の判断で2021年4月から学校に「一年単位の変形労働時間制」が導入できるようになりました。 その関係で、今月は変形労働時間制に関する記事を書いていました。 書いている中で考えたのは、「…

全国学力調査の下位県にも頑張ってる教員はいます!

2019年度の全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。 今年も秋田、石川、福井など、上位県の顔ぶれには変わりがないようです。私は今後、上位の県に取材に出向くことになります。楽しみです。 ただ、多くの方に知っておいてほしいことがあります。 そ…

吹田市のいじめ事案を教訓として、なんとかしてほしい2つのこと

「吹田市いじめに係る重大事態調査委員会」が作成した調査報告書を読みました。 被害児童はアンケートで訴えているのに、担任はしらんぷり。 ひどい話です。 前校長先生も、かなり言葉を選んでいうと、……危機感がないというか、いじめに関しては校長としての…

小学校高学年での教科担任制の推進に賛成です。

今月は、教科担任制の取材をしていました。 きっかけは、「今年4月、柴山昌彦文科相が小学校高学年での教科担任制導入を含む、今後の初等中等教育の総合的な在り方を中教審に諮問した」ことです。 教科担任制自体は新しいものではありません。 私は関東の田…

キャリア教育で学力が向上する理由

先月は、キャリア教育の取材をしました。 キャリア教育には二つの柱があります。 一つ目は、地域や企業と連携して行う活動です。 商店街で何かを販売するとか、職業体験をするとか、地域のボランティア活動をするとか、企業とコラボするとか、そういう活動も…

教師から子どもへのセクハラは今後も増える可能性大

教師から子どもへのセクハラなんて、絶対にやめてほしいですが、悲しいかな、今後増える可能性があると思います。 なぜかというと、教師になるような人というのはたいてい「子どもが好き」な人たちなわけですが、その中に、ロリコン的趣味を持つ人が混じって…

いじめ母子心中事件と市教委の責任

仙台市で痛ましい事件が起きました。 いじめが原因で母子心中、だそうです……。 亡くなったお母さんは、我が子のために担任、校長に何度も相談し、スクールカウンセラーとも話し、市教委に電話し、県総合教育センター、県教委にも電話で相談し、仙台弁護士会…

道徳の「手品師」が教科化でどう変わるのか

今月はずっと、道徳の取材をしていました。 「手品師」という有名な教材があります。 これは全教科書会社、8社の小学校の教科書に掲載されています。 つっこみどころがある内容なので、新聞などで「いかがなものか」とよく紹介されます。 どんな話かといいま…

テレビドラマの影響で「○○しない教師」が増える!?

今、テレビドラマでは、「○○しない主人公」の設定が流行っていると、ネットのニュースに書いてありました。 手術をしない医者、弁護をしない弁護士……だそうです。 医者は手術をするのが当たり前、弁護士は弁護するのが当たり前だから、これまでのドラマと差…

ぼろぼろの国立大学と、この国の未来

仕事柄、全国のいろんな大学へ行きます。 それでわかるのは、国公立系には、信じられないぐらいぼろぼろな建物を使っている大学があるということです。 先月行った、東京学芸大学は……全部がぼろぼろとは言いませんが、私が入った建物はぼろぼろで、虫の死骸…