日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

組体操の規制について

運動会の組体操に関して、動きがあったようです。

組体操中の事故が最近は新聞などで取り上げられていましたが、これまでは学校の判断に任されていました。ところが、馳文科大臣が「文部科学省として取り組まなければいけない」と回答したそうです。

 

組体操の事故というのは、昔からたまに起こるものであって、学校ではよくある不幸な出来事の一つとして片づけられていました。学校関係者は全然問題視していなかったのです。

それを、「これは問題ですよ。放っておいちゃダメでしょ」的に、みんなが気づいていない問題に気づかせた人が、名古屋大学の内田良准教授です。

私は昨年、取材でお会いしました。

内田准教授のお話は、理路整然としていて、突っ込みどころがありません。おっしゃる通り、としか言えないぐらい、ものすごく納得しました。

付け加えておくと、内田准教授は鋭い切り口の文章をお書きになりますが、実際の話し方はソフトで、好青年というムードの素敵な方なんですよ。女子大生に人気があるんじゃないでしょうか……。そんな感じの方です。

 

組体操に話を戻しますと……。

組体操にもいろいろな技がありますが、問題になってるのは大ピラミッドです。

「昨年は7段だったから、今年は8段にチャレンジしよう」とか、どんどん目標設定を上げていってしまった学校もあるようです。その結果、下の段の子どもの負担が重くなり、「それに耐えなければならない」みたいなムードになり、不平不満を言うと叱られるという、ちょっと変な方向に進化してしまったかなという気がします。誰かがブレーキをかけないといけないことだったと思います。

 

 大ピラミッドに関しては、「これが正しいやり方です」的な、全国共通の、決定版的なマニュアルがない、というのも問題の一つなんじゃないかと思います。組むときの腕の向きをどうするかなど、本によって書いてあることが違ったりするのです。

 

組体操の研修会が全国では開催されていますから、そういう場に行ったりして、ちゃんと研究してから取り組む先生もいると思います。しかし、ウェブの動画を見て、見よう見まねでなんとなくやってる先生もいらっしゃるようで……。

 

多くの学校がやってるんですから、大ピラミッドをやることの意味やメリットはもちろん、あるんだろうと思います。

目標に向かってみんなで頑張る経験をすることは、大事なことだとは思いますが、大ピラミッドじゃなくても、その経験はできるんじゃないでしょうか。

危ないものをなんでも排除すればいいとは思ってませんが、やるなら、もっと科学的に検討するべきではないでしょうか。

後遺症が残るようなケガを子どもにさせないでほしいものです。