日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

記事にしなかった話② ある愛情あふれる校長先生の話1

ある地方都市の中学校の校長先生の話をしようと思います。

 

その中学校は繁華街に近くて、昔から外国籍の子どもが多い地域です。それだけではなく、決して記事は書けないことがありました。何かと言いますと、養育を放棄された子どもたちを保護する施設など、いろんな困難を抱えた子どもたちが集まる施設が学区にいくつもあり、みんなこの学校に通ってきていたのです。

校長先生が来たとき、今から3年前は本当にひどい状態だったそうです。生徒数は600名程度ですが、常時20数名の生徒が校内を徘徊していて、ドアを蹴飛ばしたり、窓から出入りしたり、やりたい放題。卒業式や入学式には笛がピーピーなったり、ぶらぶらしている生徒がいたり。校歌なんて誰も歌わないし。

そのため、警察OBが常時巡回していました。教員は無線機のイヤホンをつけていたんだそうです。どこかでケンカが起きたと連絡が来たらすぐに出動し、巻き込まれている教員を助けないといけないからです。

「卒業生が犯罪者になってしまう」と噂される、その地域では昔から悪い意味で有名な学校でした。

当時、この学区の小学校に通っていた子どもの進学率は50%程度で、優秀な子どもは私立へ行き、残りの子どもたちにもできれば通いたくないと思われるような学校でした。出身校をたずねられて、答えたくないレベル。市内の先生たちの間でも、この学校では働きたくないと思われていました。

すごい話ですよね。

このように多くの人が見すてていたこの学校が、どんどん変わっていったんですよ。

感動するほどに。