日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

道徳の教科化でいじめは防げるのか?

小学校では2018(平成30)年度から、中学校では2019(平成31)年度から「道徳の時間」が「特別の教科 道徳」になります。つまり、道徳が教科になるのです。

現在、道徳の時間は……行事などにより、つぶされていたりします。成績をつけないから、優先順位が下なのです。

「道徳をちゃんと教えないから、いじめが起こるんだよ」と思う方もいるかもしれませんが、授業をすればいいってものではないと思います。

 

一般に、道徳の授業には教則本などを使い、「いい話」を読むわけですが、授業の中で「こういうとき、あなたならどうしますか?」と先生から聞かれて、いかに自分が善人であるか、模範的であるかをアピールし合うかのような、そういう授業になる可能性があるからです。

大人が求めている答えを、子どもはわかっていて、それを言うわけです。

子どもはいじめがいけないことだと、ちゃんと知っています。授業で先生からきかれたら、「いじめはいけない」と答えるでしょう。それでもいじめをしたり、加担したりしてしまうことがあります。

授業は授業、現実は現実、で分けて考えているからです。

 

以前、道徳で素晴らしい実践をしている先生を取材したことがあります。練りに練ったオリジナルの授業はおもしろくて、同時に子どもたちに本気で考えさせます。

そういう先生も、いるところにはいます。それは知っています。

でも、多くの先生はそんなに授業の準備に時間がかけられないのではないかと思います。

ですから、このままですと、教則本を読んで話し合う、というパターンになってしまうんだと思います……。

 

それならいっそ、首都大学東京の木村草太教授がおっしゃるように、法律を教えたほうがいじめの抑止効果があるのではないかと思います。

いじめという言葉の中には、脅迫、恐喝、暴行、傷害、強盗などが入っていること、いじめを行うと、どんな罪になり、警察はどう対応し、加害者にはどんなことが待っているか……などを教えたほうが、少なくとも事の重大さに気づけるのではないでしょうか。