日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

カリマネと民主主義の関係

カリキュラムマネジメントとは新学習指導要領の目玉のひとつです。

私はある雑誌の記事を書くため、研究者に取材しました。

カリキュラムマネジメントとは、ものすごく簡単に言うと、教科書会社が考えたカリキュラム通りに教えるのではなく、その学校の子どもの実態、地域の実情にあったカリキュラムを、すべての先生たちが当事者意識を持ち、みんなで考え、話し合って決めましょう、という主旨のようです。

これはその通りです。何の異論もございません。学校の実態に合わせて教えたほうがいいに決まっています。

 

しかしですね、教員の多忙化縮減には逆行します。

カリマネを民主的に決めようとすればするほど、全校の教員たちが一堂に集まり、じっくり話し合うための多くの時間が必要になるからです。それぞれの意見を出し合い、合意を形成していくには莫大な時間がかかることは容易に想像できます。

このような進め方をすると、もしもうまくいかなかったとき、誰の責任かわからなくなるというメリットがあります。そういう意味では、学校だけでなく、多くの企業でもよく行われていることだといえます。

 

これに対し、校長と教頭などの管理職がカリキュラムを考え、「これやってください」と言ったほうが、どんなに時間がかからず、スピーディーに事が進むか……。

 

といいつつ、

カリマネに関しては、民主的でいいのかな、という気がします。授業は先生の本業であり、各人にとって、これは譲れない部分だと思われるからです。

ただ、学校で起こるすべてのことが、なんでもかんでも民主的である必要はないと思います。

例えば、事務作業的なことに関しては、会議などにかけないで、管理職がサクッと決めていいことにして、授業の内容に関することだけは民主的に進めるとか、線引きをすることが重要な気がします。