日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

教員の働き方改革 こんな研修はいかがですか。

文科省有識者を集めて、「働き方改革」という名の業務改善を進めています。

業務改善、大事です。

整理整頓、大事です。

全国の学校では、「この仕事、やる意味ありますか?」のような問答が、研修などで行われていることでしょう。

 

その動きを否定するつもりはありませんけど、結局、これまで学校で行われてきたことは、みんな大事なんですよね。

やったほうがいいことです。

だから、そう簡単に切り捨てられません。

なぜなら、「他にやる人がいないから」。

そう言っていろんなことを請け負ってきたのが、学校の先生たちです。

そういう意味では、先生たちの子どもを思う気持ち、使命感の強さには、頭が下がる思いです。

別に「褒め殺し」をしているわけじゃないですよ。学校の業務量を理解したうえで、本当にそう思ってます。

 

例えば、「うちの子、スマホを夜遅くまでいじってて困ってるんです。私が注意しても全然言うことをきかないんです。学校でやめるように言ってください」と保護者からお願いされます。

そうすると、学校は考えます。

スマホ持ち込み禁止にする、放課後に塾へ通う都合で持ち込みたい子どもは申請し、持っててもいいが校内では使ってはいけない。

スマホの使い方を指導する

本来は、学校は①でいいわけです。スマホは親が買い与えているものですから、家庭でルールを決めて使わせるものです。ただ、家庭が協力的な地域では①も可能ですが、そうではない地域の場合、子どもはやりたい放題になります。その結果、子どもは睡眠不足になり学校で寝てるようになるわけです。SNSのトラブルも起きます。だから、②をしましょうという話になります。こうやって学校がいろんなことを請け負ってしまうわけです。

それに、②のほうが、保護者の満足度は高いですからね。そっちを選びたくなりますよね。で、一度始めたらやめられないわけです。「去年はしてくれたのに」と保護者からあてにされますからね。

 

「働き方改革」に話を戻しますと、学校がこれまでしてきたことを「やめる」決断は難しいのではないでしょうか。

だとしたら、「誰かに任せる」ことです。

(「自分でやったほうが早い」というのはナシですよ。これを言ってる限りは変わりませんからね。最初は自分でやったほうが早くても、人に任せれば、その人がだんだんうまくなります。最初から100%を期待しても無理ですよ。)

校内研修では、この仕事を誰に任せられるか、を検討すべきでしょう。責任を持ってきちんとやってくれる人は誰なのか、みんなで意見を出し合って決めるのです。

できれば、報酬を払ったほうがいいですよね。「ボランティアなので責任は持ちません」じゃ、困りますから。当然、校長先生は、いくら必要なのかを計算し、教育委員会に相談するなり、資金調達の方法を考えるなりしないと…です。

例えば、スマホの指導なら、以下の人に任せられます。

①PTA役員にイベントを企画してもらう、②IT企業に勤めている保護者、地元のIT企業に相談する(親会社が教育プログラムを持ってる可能性があります)、③そういう分野を得意としている地元のNPOに授業をしてもらう、⑤地元の高校生や大学生のグループに授業をしてもらう

もちろん、任せた人と教員は打ち合わせをする必要があります。教員の仕事量がゼロになるわけではありません。それでも、教員がその分野を一から勉強するよりはずっと負担が減ると思うんですよ。

 

給食指導なら、①地元の敬老会、②保護者、③教員OB,OG 

報酬は、給食1食分で。

こんな感じで、今ある仕事をやめるのではなく、「誰かに任せる」という発想で、「働き方改革」を進めてはいかがでしょうか。