教員の働き方改革と同時に、少子化対策が必要。
各地の教育委員会へ取材に行くと、目の当たりにするのは少子化の現実です。
どんどん子どもが減っています。
取材に行った東北地方のある県では、学校の統廃合をどんどん進めています。でも、5年でまた統廃合が必要になってしまうそうです。
東京23区でさえも、ごっそり減っています。1学年1クラスの小学校、中学校なんていうものがあったりします。
こんな未来、30年前には誰も予測していなかったんじゃないでしょうか。少なくとも私は全然予想していませんでした。人口はどんどん増えていくもんだと思っていましたし、田舎はどんどん発展するもんだと思っていました。
でも、30年前よりも田舎はさびれています……。人がいないし、活気がないし。
そして、当分、この状況は変わりそうにないわけです。
昔は子どもが増えて、学校がどんどん増えていったのに……。
教育に話を戻しますと…。
財務省は、教員の数を減らせというわけです。その理屈は理解できます。
だって、子どもの数が明らかに減ってるわけですから。今後も減ることがわかっていますからね。
でも、子どもの数が減っても、教員の仕事は減りません。
なぜなら、学校で何か事件が起きるたびに、新しい仕事が増えていくからです。
いじめの事件が起これば、いじめ対応。
子どもが多数集まっている場所で、何も事件が起きないなんてことは、今後もありえませんからね。これからも増えていくしょう。
それから、世界各国と比べて学力がひくくなれば、教科指導の改善もしなくてはいけないわけで。
これからも仕事が増えていき、それを止めることは誰にもできないんですよね。
さらに、子どもが減ると、学校に配置される教員の数が減ります。
「子どもが何人いるから、教員を何人配置しよう」という原則があるからです。
しかし、各校に基本的にある仕事量は変わらないわけですからね。
行事の準備など、教員の人数が少なければ、1人当たりの負担が増えるわけです。
子どもが減ってるにもかかわらず、教員の仕事は増える一方という、この悪循環をどうするのか。
その解決策のひとつとして、全国的に学校の統廃合が進んでいます。
統廃合によって、1学校あたりの教員の人数が増えれば、仕事を分担できるので、校務の負担が減るからです。
しかし、これは地元のみなさんが、大反対します。地元に代々あった小学校がなくなってしまうんですから。子どもも遠くからスクールバスで通わなくてはならないので、不便です。そんな不便な場所に新しい家族が引っ越してくるはずもなく、ますます過疎化が進むんじゃないか、なんて懸念もあります。
統廃合によって教員の負担が多少軽減されたとしても、全然明るい未来が見えてこないんですよ……。
現在、教員の「働き方改革」をしなくてはいけなくなったのも、大元は少子化のせいです。学校が働き方改革を進める一方で、政治家の皆様は少子化を早くなんとかしないと~ですよ。
高校無償化なんて、生ぬるいんじゃないでしょうか。
例えば、「子どもがいる家庭は、ものすごく得する、かえってお金持ちになれる」ぐらいの大胆な政策が必要なんじゃないかと思います。でも、お金目当ての親が子どもをたくさん産むようになったらなったで、今度は産みっぱなしで無責任だ、という問題がでてくるわけで。
やっぱり、普通の人が、普通に子どもを産み育てたいと思えるような社会にならないとダメだとは思いますが、そんなこといってたら何もかわらないまま時間だけが過ぎていきます。とりあえず、大胆な「子持ちは金持ちになれる」政策を実施してみるのもいいんじゃないかと思う次第です。