日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

小学校高学年での教科担任制の推進に賛成です。

今月は、教科担任制の取材をしていました。

きっかけは、「今年4月、柴山昌彦文科相が小学校高学年での教科担任制導入を含む、今後の初等中等教育の総合的な在り方を中教審に諮問した」ことです。

 

教科担任制自体は新しいものではありません。

私は関東の田舎の県出身ですが、小学校のときから、一部教科担任制は行われていました。

 

教科担任制に関しては、地域差があるのです。

東京都などはもうずっと前から、小学校に音楽や図工、理科などの専科の教員を配置しています。それが当たり前になっています。

 

しかし、地方などに行きますと、いまだにほとんど全部の教科を一人の担任が教えている学校があるそうです。

文部科学省の「平成30年度公立小・中学校等における教科課程の編成・実施状況調査」によりますと、教科担任制の実施状況は、小学6年生の場合、音楽は55.6%、理科は47.8%、家庭科は35.7%、書写は26.8%、図画工作は21.0%、外国語活動は19.3%、社会は15.5%、体育は10.5%だそうです。

このデータを見る限り、案外少ない……。

 

小学校高学年での教科担任制の推進に、私は賛成です。

(ここでいう教科担任制は、一部教科担任制を含みます。)

毎日5時間目まで授業があるとして、毎日5時間分の授業準備をするのは大変でしょう。一人の担任の先生が、毎日毎時間、素晴らしい、内容の濃い授業をするのは無理だと思うからです。ときには準備をする時間がなくて、手抜きをする授業だって出てくるでしょうよ。たとえ、1つでも2つでも、専科の先生が担当してくれたら、担任の負担が減りますし、子どもにとっても手抜きの授業を受けるよりずっといいことだと思います。

 

それに、今月は、教科担任制を導入しているいくつかの小学校の取材をしましたが、どの学校も、低中学年は学級担任制でした。

つまり、学級担任制が学校からなくなるわけではないのです。

どちらにもメリットはあるので、子どもの発達に応じて使いわければいいということです。

しかも、教科担任制は、中学校のように全教科で実施するやり方もありますが、そこまでやらなくても、体育だけとか、音楽だけとか、一部の教科だけやる、という方法もあります。そこは学年ごと、学校ごとに工夫していけばいい、ということです。

 

ただ、人間には向き不向きがありますから、おそらく教科担任制のほうがやりやすい先生と、学級担任制のほうがやりやすい先生がいるのではないかと思います。

そんなときは、

教科担任制をやりたい先生は、高学年を、

学級担任制をやりたい先生は、低中学年を、希望すればまるく収まる気がします。