日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

都内底辺校から海外の一流大学へ進学、それを可能にしたH先生

東洋経済オンラインで、

1年で1割退学「崩壊する都内底辺校」の教育現場 タバコ・喧嘩・妊娠で退学が日常茶飯事だった | 教育困難のリアル

という記事を読みました。

 

今年3月、いわゆる底辺の私立高校を、「海外の一流大学へ進学できる高校」に変えたH校長先生の取材をしたのです。

東京都の場合、高校は無償です。底辺校には名前さえ書けば入れます。勉強する気はなく、まわりからバカにされ続けて、すっかり無気力になった生徒たちが集まってきます。上記の記事に書いてあることは、納得できます。

 

でも、私が取材したH先生は彼らのやる気のスイッチを入れることができたんですよね。だから、彼らは自ら勉強を始めたのです。

どうしてそうなったのかは、「みんなの教育技術」というサイトの記事に書きました。

底辺校に通う高校生も、やり方次第で悪循環から抜け出すことは可能です。

 

ただ、その記事には書かなかったことがあります。

書きたかったのですが、あまりにも記事が長くなってしまうので書けなかったのです。

それはですね、H先生は「校長室は第二の保健室」だとおっしゃっていたことです。毎日、教室に入れない生徒がやってきて、ここで過ごしているのだと。

みんながみんな、前向きになって勉強しているわけではなく、なかなかそうなれない生徒もいるそうです。H先生は校長室で、そんな生徒たちの話をじっくり聴いてあげて、相談に乗ってきました。

 

実際に、H先生の高校の生徒全員が海外の大学への進学をめざすわけではなくて、卒業して就職する生徒もいます。いずれにせよ、生徒自身が自分の未来を選択できるように、H先生は背中を押し、伴走してきたのです。

「底辺校から海外の大学へ進学した」と、そのことばかり注目されてしまいがちですが、実は、見えないところでH先生は生徒たちの心をケアし、適切なサポートし、信頼を勝ち取っていたのでした。

結局、生徒に人間として向き合うこと、それができるH先生はすごいと感じます。