日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

「希望の塾」とエドはるみさん

実は私、小池百合子さんが主宰する「希望の塾」の一期生でした。

塾の公式の活動は月1回、えらい人の講演を聞くだけでしたけど……。

(その話はまた後で。)

 

年末の講演会場で、エドはるみさんを見かけたのです。

ライザップ前だったので、びっくりするぐらい太ってらっしゃいましたよ。

本当に。一言でいうなら「太い」。

芸能人が、私より太っているとは…と、かなり驚きました。

 

てっきり、ライザップの効果をあげるためにわざと太って、痩せて、広告で認知度アップをはかり、都議選に出馬~という流れかと思っていました。

 

結局、「希望の塾」側がマスコミに情報を提供していたので、最初からマスコミの取材に応じていた人の中から、けっこう高い確率で立候補者が出ていると思われます。

エドはるみさんの名前は最初から挙がっていたので、立候補するのかと思っていたんですが、このヨミははずれたようです。

その分、元民進党の人が多いみたいですね……つまり、政治を仕事にしている人が移動しただけで、顔ぶれは全然フレッシュではないという……。

福岡県で技術や美術の教員が不足。

西日本新聞によりますと、

福岡県内の複数の中学校で、技術や美術の教員がゼロのまま新学期を迎えたそうです。小規模校の場合、担当するコマ数が少ないため、非正規雇用で済ませようとしたから、なり手がいないと。

 

これはいい傾向だと思います。

子どもたちのために、という理由で、非正規雇用で我慢するような人がいないほうがいいと思うからです。

もしも我慢する人がいたら、これでいいんだということになり、ちっとも改善されませんからね。

 

時給で、週に何回かだけ授業をして、それで生活できるわけがないじゃないですか。

簡単にクビにできるし、雇用する側としては楽なんでしょうけど。

そんな条件で働く人がいると思っているところが、感覚がずれていますよ。

あっ、子育て中の女性なら…とか考えていたのかもしれませんね。

甘い。

いまや学校は、魅力的な職場じゃないんですって。

むしろ面倒くさくて、避けられる職種です。

 

だいたいね、県教委の方、ご自分はその条件で働きますか?

若い人たちに、ものすごく酷なことを要求しているってことに気づいてください。

なんでもコスト削減すればいいってもんじゃないですよ。

安易に民間企業のやりかたを導入するのはおやめください。

 

そもそも、美術とか、技術って「非正規でいいや」的な教科なんですかね。

国学力・学習調査の科目じゃないからって、この扱いはなんだかなぁ~、な感じですね。

こんなことしてたら、きっと、福岡県からは今後、天才アーティストも、天才プログラマーも生まれませんよ。

 

ちゃんと正規で雇って、優秀な教員に育てていただきたいものです。

近隣の何校かをかけもちで指導してもらうとか、生中継をして複数の学校で同時に授業をするとか、専門教員の授業を録画して、それを見ながら担任が授業をするとか、方法はいろいろあるんじゃないでしょうか。

いじめを認めない市教委。

取手市教委の態度が問題になっております。

女子中学生の自死がなぜ起こったのか、第三者委員会までつくって調査したのに、その原因にいじめがあったと認めなかったと。

それが、文科省からの鶴の一声で認めたと。

 

これは取手市教委に限ったことではないと思います。

どこの市教委も「いじめがあった」と認めたがりません。

理由の一つは、「損害賠償に備えて」ってことだと思われます。

今は、もしもご遺族が訴訟を起こした場合、1人あたりだいたい1億円ぐらい支払うことになるそうです。

誰が払うかっていうと、学校の設置者である市です。

つまり、税金から。

市としては、これは避けたいのが本音ではないでしょうか。

 

それから、もう一つの理由は、教育委員会と学校の組織の問題です。

教育委員会も学校も、みんな身内です。

内部の人間(教員、子ども)を守る方向に、団結して大きな力が働くんですよね。

 

教育委員会の方も、学校の先生たちも、会ってみるとみんな良い人たちです。

取手市教委の人たちもいじわるをしているつもりはないんですよね、きっと。

ただ、善人であるがゆえに、ひとたび事件が起こると、たとえいじめていた子であっても、子どもを守らなくちゃ、いじめに気付かない先生がいてもそれはしょうがないから、先生も守らなくちゃ、誰も傷つかないようにしようと、そういう方向に考えるようです。

教委にしてみれば、悪いのはいじめた子であって、先生のせいじゃない。学校のせいでもない。いじめは巧妙に行われるから、先生が気づかないこともあると。

そして、いじめた子も大事な生徒だから、守らなくちゃ。教育しなくちゃと。

 

その結果、誰のせいでもない感じになります。

そして、客観的であろうとして……いろんな事実に基づいて正確に言わなくちゃと思うあまり、「いじめとは断定できない」と言ってしまうんですよ。

そりゃ、あれもこれも、考えたら原因なんかいくらでも考えられますからね。

原因は一つじゃないだろうから、断定できないと、そういう論法です。

その感覚がご遺族、多くの保護者、テレビの視聴者とずれているわけですが、市教委は弁護士さんのアドバイスを受け、大真面目に、事実を正確に言ってるつもりだと思います。

弁護士さんは損害賠償を念頭に置いてますから、断定しないように、と当然いうでしょうよ。

 

でもね、その学校に通う子どもが自死してしまった時点で、アウトです。

問題があったんですよ。

そのクラスの子にも、担任にも、学校にも、教育委員会にも。そして、学校の設置者である市にも。

誰も傷つかないように……なんていうのは無理なんですって。

昔だったら、なんとなくぼんやりしたままでも逃げ切れましたが、今の時代は無理です。

情報公開の時代です。

だから、自死してしまった子がいる以上、非があると認めないとね。

 

つまり、絶対に、子どもを自死させてはいけないということです。

 

では、自死を防ぐには、いじめをなくすにはどうしたらいいのか……。

例えば、クラス担任を1人ではなくて、2人か3人にしたらいいと思います。

(財源はどうするんだ、という話は横に置いて…)

1人は教員、もうひとりはカウンセラーとか、とにかく人の心の動きに敏感な人にするわけです。そして、違いを認め合うような、子どもが話しやすいようなクラスをつくること、それが大事だと思います。

現在のように担任1人では、その担任が人の気持ちに敏感でないタイプの場合、いじめは見つけられないと思うからです。

世の中を変えたくなったら…ロビイ活動のしかた

先日、ロビイングのセミナーに行ってきました。

国にお願いしたいことができたときのために、知っておいた方がいいと思いまして。

講師は、国会議員の現役の秘書さんです。

 

世の中を変えるにはどうしたらいいのかといいますと……。

 

①まず、ターゲットとなる国会議員を決めます。自分のお願いに関連する分野の専門家といわれている人がいいようです。どの分野にも専門家の議員がいるそうです。

それと、どの政党の国会議員にするか、も大事です。政策にからめて、この問題を熱心に扱ってくれそうな政党を選ばないといけません。

 

ターゲットとなる国会議員を決めたら、会いにいって、お願いを聞いてもらわなくては始まりません。しかし、当然、いきなり出かけていっても会ってもらえません。

ものには順序というものがあり、国会議員に会いたいときに有効なのは「紹介」なんだそうです。

②そんなわけで、その議員にたどりつくための「紹介」の道筋を考えます。

例えば、Aさんという国会議員に会いたい場合、Aさんと同じ党の、自分の身近にいる市議会議員Bさんに近づきます。そして、自分が何をしたいのかを熱く話し、Bさんに味方になってもらって県会議員Cさんを紹介してもらいます。次に、県会議員のCさんのもとへいき、何をしたいのかを熱く語り、味方になってもらって国会議員のAさんを紹介してもらうのです。

 

「紹介」の道筋を通っていよいよ国会議員さんと面談となるわけですが、事前にアポをとっても、面談の場にご本人が出てこないこともあります。秘書さんかもしれません。

秘書さんはこちらが用意した資料を受け取り、一応、話を聞いてくれるでしょうが、その後、対応してもらえるかどうかはわかりません。放置される可能性が高いそうです。各議員のところには、各業界団体、地元の後援会などから常にたくさんのお願いが持ち込まれるからです。

③議員の票集めに協力できる方法はないかを考えます。

たくさん持ち込まれるお願いの中から、議員に選んでもらって対応してもらうためには、優先順位の上位の人にならなければいけません。上位の人というのは、その議員の後援会の幹部やバックに巨大な組織がある人です。

つまり、「こうするのが世の中のためです。お願いします」みたいに個人がお願いしたところで、おそらく無理だということ。

自分は票集めにどんな形で協力できるのか、それを考えておく必要があります。

要するに、ギブ&テイクが成立しないと動いてもらうのは難しいのです。

当たり前のことながら、票につながらないと、動いてもらえません。

だから、自分ひとりで突っ走るのではなく、例えば、同じ問題意識を持つ仲間を集め、組織として活動するとか、あるいは、主張に賛成してくれる団体をたくさん集めるとか、したほうがよさそうです。

 

 ただし、これがすべてではありません。

マスコミなどで頻繁に取り上げられていて、世間で問題視されているテーマで、本当に、すぐにでも世の中のためになんとかしたほうがいいことが明らかであれば、見返りは求めずに議員が動いてくれる可能性もある、とのことです。

 

だから、やってみなくちゃわからない! ということです。

教職員の働き方改革、ネット署名が始まる

教員の長時間労働の縮減に向けて、かなりうれしい、新たな動きが出てきました。

大学教授や過労死遺族などが「教職員の働き方改革推進プロジェクト」という団体をつくり、5月1日から、「教職員の時間外労働にも上限規制を設けて下さい!」に賛同を求めるインターネット署名を始めたそうです。

6月に文部科学相厚生労働相に提出する予定で、最終的には20万人の署名を目指しているとか。

 呼び掛け人として、教育評論家の尾木直樹さんなど14人のお名前が挙がっています。このラインナップを見る限り、これはかなり強力というか、行動力に期待できるのではないでしょうか。私がお会いしたことがある名古屋大准教授の内田良先生、明星大学教授の樋口修資先生、東京大学教授の本田由紀先生も入っています。

 

署名は「change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」のサイトで受け付けています。

教員の長時間労働を縮減するために…実践例をつくる

前回、このブログで「教員の長時間労働が改善されないのは、教員がロビイ活動をしないからだ」と書きましたが、実はもうひとつ、改善するための方法があります。

 

それは、実践例をつくってしまうことです。

先日、文部科学省ではないんですが、ある省で働いておられる方とお話しする機会がありました。せっかくなので、「要望があるとき、どうやったら省に実現してもらえるのか」と聞いてみたのです。

その方いわく、「いきなり、『こうしてほしい』と言われても、それが正しいことかどうかわからないので、省として動くのは難しい。どこかの市などで実践してみて、『これをすると効果があります』という結果をもってくれば、話は早い」とのことです。

 

つまりですね、どこかの市教委の指導のもとで、管理職が教員の出退勤の時間管理をしっかりやり、各教員が時間外勤務をした時間数を貯めていって、夏休みや冬休みに貯まった分だけ休むようにするのです。そして、実際に長時間労働が縮減したという結果を出し、それを国に報告することが求められているのです。

 

かなり、勇気のいることだとは思いますがやってみないことには始まりません。

ぜひ、チャレンジしていただきたいのですが、いかがでしょうか。

例えば、Y市は夏休みに完全閉校日をつくっていますよね?

Y市の市教委の皆様、いかがですか?

教員の長時間勤務が改善されない政治的な理由

先日、このブログで「教員の長時間労働の縮減のためには給特法の改正が必要」だと書きました。何をすればいいのか、わかっているわけです。

にもかかわらず、なぜ法改正へと進んでいかないのか、というのが私の疑問でした。

 

それで、ある国会議員の現役秘書さんのセミナーで勉強してきました。

 

結論からいいます。

教員の皆さんが待遇改善のためにやらなくてはいけないこと……それはロビイ活動です。

 

日本にはいろんな業界団体があります。

例えば、看護師さんの団体、保育士さんの団体……。

各団体にはロビイ活動をする人がいて、自分たちの要求を通すために、その業界を票田というか、専門分野としている議員さんに働きかけているそうですよ。

なんたって全国組織ですから、会員は多いわけで、議員さんも無視はできないですからね。

しかも、各団体には門外不出のロビイングのやりかたがあって、代々伝えられているとか……。

 

国会議員のところには、あちこちからたくさんの陳情があるわけです。

当然、扱いは平等じゃありません。

後援会の会長とか、やっぱり、そういう人からの陳情が優先されます。

いきなり個人が訪ねていったって、優先順位は低いわけです。

つまり、「全国の教員は〇〇党の国会議員Aさんを応援します。だから法改正をよろしく」みたいな話を組織として持ちかけないと、この国では物事が進んでいかないってことです。

そういうしくみになっているんです。

 

教員はどうでしょうか…。

組合はありますが、私の知る限り、どうやら誰もロビイ活動をしていないんじゃないかと……。

 

政治がからんでくると、「教員は政治的中立性が大事なんだ」とおっしゃる方もいるかと思います。児童生徒の前では、政治的な中立性が大事ですよね。それはもちろんです。

でも、教員の働き方を変えるためには、政治的な力を使うことが必要なんじゃないかと思いますよ。教員は全国にたくさんいて、きちんとまとまれば、大きな力になりうるんですから。

 

現在は、教員は忙しい→ロビイ活動をする人がいない→問題が放置され続けるという悪循環にまっています。

このままでは、ずっと、ずーっと続きますよ。

未来のためには、この悪循環から抜け出す必要があります。

それには…教員が新たに団体をつくり、その団体がロビイングを誰かに依頼するのが現実的なのかな、という気がします。