日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

教員の多忙化解消対策……静岡県吉田町の場合。

教員の多忙化縮減対策として、静岡県の吉田町がかなり先駆的な取組みをしようとしています。

 

小学校6年生を例にとりますと……。

 

現在の学習指導要領では、1年間の総授業時間数は1060時間、授業日数は206日です。しかし、2020年度から完全実施の次期学習主導要領では、総授業時間数が1100時間に増えるわけです。

 

文科省は「教員の多忙化を解消しよう」という取り組みを進めながら、その一方で、授業時間はさらに増やそうとしているんですよ……。)

 

授業時間数が増えたら、当然、6時間授業のある日が増えるわけです。6時間分の授業準備をしようとしたら大変ですからね。つまり、授業時間数が増えると、教員は日々の生活がより多忙になってしまうわけです。

 

そこで、吉田町では来年度から授業日数を220日に増やすことにしたそうです。

 

土曜日は休みのままで、その分、夏休みを減らして授業をするのです。

 

そうすると、夏は暑くて勉強できるかって話になると思うんですが、教室にエアコンを入れるそうですよ。

 

 

これ、おおいに期待したいです。

 

先生は今や、夏休みもほとんど出勤していますからね。夏休みに授業をしたって、そんなに生活は大きく変わりません。

 

夏休みが減ることに対して、保護者はおそらく大歓迎なんじゃないでしょうか。夏休み中、子どもの昼ごはんの心配をしなくて済むからです。

 

子どもは夏休みにだらだらできなくて残念かもしれませんけど…。

 

 

吉田町ではこのほかにも、教職員の多忙化解消のために様々な施策を実施しています。

  • 教職員の勤務時間の適正化

・授業日数220日以上(H30年度~)

・授業4時間日の設定

・学校閉庁日の設定

  • 校務の支援

・学校事務の効率化

・校務アシスタントの配置

・部活動、課外活動の指導員配置

  • 教職員の研修体制の充実

・町全教職員研修会の実施

 

こんなに積極的に取り組んでいる静岡県吉田町ってどんな町なんでしょう。

 

吉田町の人口は2万9669人(2017年4月30日現在)。町内には、小学校が3校、中学校が1校あります。

 

なるほど。こういう規模だから、新しいことをやりやすいのかもしれませんね。

 

 

さらに調べてみますと、県教委が関係していことがわかりました。

 

教員静岡県教育委員会では、教職員の多忙化解消に向けた新たな取組として、「未来の学校『夢』プロジェクト」を立ち上げ、平成28年度から3年間、県内4市町の4小中学校をモデル校として指定し、多忙化解消の研究を行っているそうですよ。

吉田町の小学校はこのモデル校になっています!

 

吉田町がしようとしていることに対して、あれはダメだ、これはダメだと言いたい人はおそらく日本中にたくさんいると思います。

でも、偉い人が集まって会議ばっかりしていたって、教員の多忙化は解消できないんじゃないでしょうか。

そもそも学校や教育委員会で働く人は何事にも慎重な性格の人が多いようです。

それは学校にとって、とても大事なことではありますが、物事を変えていこうとするときは、大胆さも必要です。

 

いろんなことを試してみないと、何が正解なのかわかりません。

やってみる価値はあると思います。