教育は…市教委の時代へ突入。
一昨年ぐらいからですが、市や区の教育委員会に取材に行くことが増えました。
それは、市教委や区教委が独自の取り組みを行っているケースが増えているからです。
たとえば、部活動問題であれば、多治見市、杉並区などのように。
今までは、スーパー校長先生のいる学校を紹介することが多かったのですが、校長先生はだいたい2~3年で異動してしまうため、校長が異動して取り組みが終了のパターンが多く、せっかくの素晴らしい取り組みが継続しないという決定的な弱点がありました。
その点、市教委が進めている取組みであれば、校長が変わっても継続しますから、良い効果が持続するのです。
昨年11月、戸田市教委を取材しました。
おそらく、今現在、ここが日本で一番元気な市教委なのではないでしょうか。産官学民の連携でいくつもの取り組みを進めていて、学力も急上昇中です。ベンチャーと組んでいろんなチャレンジをしています。チャレンジしないことには、教育現場は動いていきませんからね。これから、どんなエビデンスを出してくれるのか、非常に楽しみですし、応援したいと思っています。
戸田市の教育長様にお会いし、お話をうかがうことができたのですが、「文科省を蹴って、戸田市教委に来た人もいる」と言っておられました。
これはどういうことかといいますと、
文科省は国全体のことを考えますから、思い切った教育政策を行うことができないということです。国内にはいろんな地域があるわけです。所得の格差もあります。ある政策を行うとしたら、この県は歓迎だけど、あちらの県はいらない、みたいなことになりますよね。バランスを考えていたら、身動きができなくなります。
一つの政策で国全部をなんとかする、というのは非常に難しいということです。
その点、市教委のほうが、地元のニーズに合った効果的な政策を考え、実行しやすいできますからね。動き出してからの微調整もしやすいし、失敗したら、すぐにやめられます。当然、効果も出やすいはずです。
その結果、どうなるかといいますと、今まで以上に、どの地域に住むかで、子どもの学力、将来が違ってくる可能性があるということです。
さぁ、大変です。
動き出してる市は、ガンガン政策を進めていますからね……。
公立の学校に行かせる親御さんたちは、どんな地域で子育てをしたいと思うでしょうかね……。
従来通り、文科省、県教委の言う通りに仕事をしているだけの市教委は、子どもがますます減ってしまうんじゃないでしょうか。
そんなわけで、私は、教育は市教委の時代だと勝手に思っています。
市教委で働くみなさんは、元々優秀な方たちのはずです。
文科省の動きを待っているのではなく、自分たちの地域の子どたち、教員のために何をしたらいいのか考え、どんどん政策を打ち出し、実行していただきたいなと願っています。