日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

教員の長時間勤務が改善されない政治的な理由

先日、このブログで「教員の長時間労働の縮減のためには給特法の改正が必要」だと書きました。何をすればいいのか、わかっているわけです。

にもかかわらず、なぜ法改正へと進んでいかないのか、というのが私の疑問でした。

 

それで、ある国会議員の現役秘書さんのセミナーで勉強してきました。

 

結論からいいます。

教員の皆さんが待遇改善のためにやらなくてはいけないこと……それはロビイ活動です。

 

日本にはいろんな業界団体があります。

例えば、看護師さんの団体、保育士さんの団体……。

各団体にはロビイ活動をする人がいて、自分たちの要求を通すために、その業界を票田というか、専門分野としている議員さんに働きかけているそうですよ。

なんたって全国組織ですから、会員は多いわけで、議員さんも無視はできないですからね。

しかも、各団体には門外不出のロビイングのやりかたがあって、代々伝えられているとか……。

 

国会議員のところには、あちこちからたくさんの陳情があるわけです。

当然、扱いは平等じゃありません。

後援会の会長とか、やっぱり、そういう人からの陳情が優先されます。

いきなり個人が訪ねていったって、優先順位は低いわけです。

つまり、「全国の教員は〇〇党の国会議員Aさんを応援します。だから法改正をよろしく」みたいな話を組織として持ちかけないと、この国では物事が進んでいかないってことです。

そういうしくみになっているんです。

 

教員はどうでしょうか…。

組合はありますが、私の知る限り、どうやら誰もロビイ活動をしていないんじゃないかと……。

 

政治がからんでくると、「教員は政治的中立性が大事なんだ」とおっしゃる方もいるかと思います。児童生徒の前では、政治的な中立性が大事ですよね。それはもちろんです。

でも、教員の働き方を変えるためには、政治的な力を使うことが必要なんじゃないかと思いますよ。教員は全国にたくさんいて、きちんとまとまれば、大きな力になりうるんですから。

 

現在は、教員は忙しい→ロビイ活動をする人がいない→問題が放置され続けるという悪循環にまっています。

このままでは、ずっと、ずーっと続きますよ。

未来のためには、この悪循環から抜け出す必要があります。

それには…教員が新たに団体をつくり、その団体がロビイングを誰かに依頼するのが現実的なのかな、という気がします。