日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

タワマン上層階で暮す子どもと、エビデンスの問題

国や自治体、あるいは学校が、教育政策を考えるうえで、エビデンスは大事です。

何かをした後、「子どもたちの目の輝きが違います」と報告されても、効果があるんだか、ないんだか、よくわかりません。多くの人を動かし、多くの時間と金をつかって何かをおこなう場合には、それなりの根拠、エビデンスが必要ですよね。

 

でも、エビデンスがすべてではないと思います。

 

例えば、この記事。

タワマン上層階の子「成績は低迷」の理由(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース

タワマンの上層階って、一年中窓が開けられなくて、快適な環境が保たれていますが、季節感がないわけです。そこに住んでる子どもの中には、外に出るのが面倒くさくなって、実体験が不足してしまって、学力がイマイチになる子もいる、という話です。

もちろん、すべての子がそうなるというエビデンスがあるわけじゃないですが、高層階にお住まいの親御さんは、我が子の健やかな成長のために、その分、実体験をどのように補っていくのか、考えてみる必要があるんじゃないかと思うのです。

 

これなどは、エビデンスがまだないわけです。

タワマンで暮すことの子どもの発育や学力への影響を調べようとしたって、今までは、タワマンでそんなに長い間、生活した人自体がいなかったんですから。

 

こんなふうに、新しく出てきた問題にはエビデンスがありません。

だからって、重要でない、と却下していいわけではありませんよね。

 

最近は、「エビデンスがなきゃ、話にならない」みたいな言い方をする方がけっこういらっしゃいますが、エビデンスを重視する、非常に頭のいい人たちこそ、現場の感覚を大事にしてほしいと思うんですけど。

大事な事を見落とさないように。

そして、新たに、みんなの役に立つエビデンスを導き出すために。

 

エビデンスは大事だけど、直感も大事、両方とも大事だと私は思うんですよね。