日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

軽井沢バス事故と教育にできること

15日、長野県軽井沢町でスキー客を乗せたバスが転倒し、14人が死亡、26人が重軽傷を負った事故が起きました。

お亡くなりになった方々には心からご冥福をお祈りいたします。

また、被害者の多くは大学生であり、大切に育ててきた我が子を失った親御さんのお気持ちを思うと……なんともやりきれない想いがします。

バス会社にいろいろ問題があったようですが……。

 

このような事故に遭わないようにするために、教育にできることがないかと考えてみました……。

 

今の世の中、「安いものを探せること」=「賢いこと」です。

経済状態が悪化していますから、世のお母さんたちは「安いもの」に目がいきます。

ココイチの廃棄処分のかつがお店で売られていたのも、「安い」という理由で買う人がいるからです。買った人は、安く買えて自分はついてる、ラッキーだと思っていることでしょう。

当然、そのような価値観の中で育った子どもたちは、賢く、安いものを探し当てるスキルを身に付けながら成長していきます。

でも、何でも安ければいいってもんではないはずです。

安くてラッキーな場合もありますが、安全に関してなど、安さを追求しないほうがいい場合もあるわけです。

他よりも安いものがあるとしたらとしたら、それなりの理由があるはずだと疑問を持たなくちゃいけないってことです。

「安い=お得、賢い」という価値観を疑う必要があります。

 

つまり、「これは安くていいのかどうか」、自分で考えなくちゃいけないということです。

自分で考えること、それしかありません。

そんなわけで、教育にできることは…………おそらく「アクティブ・ラーニング」ですよね。

 

もちろん、今回の事故で負傷またはお亡くなりになった乗客の方々には何の落ち度もありません。

私も学生時代、危ないな~と思いながらも、スキーバスをよく利用していました。

 

ただ、いくら規制を強化しても、おそらく、この先もいい加減なことをする会社(今回はバス会社ですが)はなくならないと思うのです。

誰かのせいにしたところで、進歩はありません。

 

あえてこの事故を教訓にするとしたら……。

外の世界には危険がいっぱいです。

人を騙そうとする会社はたくさんあります。

どんなに注意していたって、事故に遭うことはあります。

究極の安全対策は……家から一歩も出ず、ネットをつながず、電話にも出ないことでしょう。

でも、若い人には冒険してほしい、と私は考えます。

楽しいことは、冒険の先にあるからです。

だから、できるだけリスクの少ない方法を選び、危険をすり抜けながら冒険していってほしいなと思う次第です。

いじめを考える①

もしも我が子がいじめられているのではないかと保護者が気づいたとき、どうするか。

まずは担任に相談しますよね。

でも、担任が納得のいく対応をしてくれなかったします。

そうすると、次は学校ですよね。

でも、校長がいじめを認めてくれなかったら、結局何の対策もしてもらえません。

そうすると、今度は市の教育委員会へ電話すると思うのですが、これはあまり意味がないことです。なぜなら、市教委と学校は、仲間内だからです。仲間の不利になるようなことはしないのが普通です。

 

いじめが抱える問題のひとつは、「保護者の相談先がない」ことだと思います。

学校がいじめの存在を認めてくれなかったとき、保護者にはもう、打つ手がありません。だから、マスコミにリークしたりするわけです。

我が子のいじめに頭を悩ませている保護者を救済するには、本当は、第三者的な、公の「いじめの相談窓口」を作る必要があるのではないかと感じています。

単に相談を受けるだけではなくて、学校に立ち入り調査を実施し、必ず市長に結果を報告しなくてはならないような、そんな組織です。

そうすれば、学校はいじめを隠ぺいできなくなるのではないでしょうか。

沖縄小4男児自殺事件

昨年10月、沖縄県豊見城(とみぐすく)市の小学4年の男子児童が、自宅で首をつって自殺していたそうです。

 この男子児童の通う小学校では、9月29日にいじめに関する無記名のアンケートを実施しており、男子児童はいじめを受けたという内容の回答を書いていたそうですが、学校がこの回答を把握したのは、男子児童が自殺を図った後でした……。

 

自殺といじめの因果関係があるかどうかは横に置いておいて……(私には判断できませんからね)。

 

アンケートを放置していた先生たちが、私には鬼のように思えてしまいます。

いじめられている子は、毎日が針のむしろで、毎日が苦痛の連続なはず。

勇気をふりしぼってアンケートに書いたのに、誰も見てくれないなんてね……。

先生たち、これは鈍感すぎますよ。

 

全国の先生たち、お願いですから、アンケートをしたら、すぐ内容をチェックしてください。そして、SOSを発した子どもを見つけ出し、助けてあげてください。

“形だけのアンケート”、“アンケートを実施したと教育委員会に報告するためのアンケート”はもう、やめにしていただきたいものです。

本気で教育現場を変えようと思うなら…

学校の先生たちと話していると、みなさん、自分なりの教育論をお持ちです。

もっとこうすればいいのに、こんなのやめるべきだ、こんなのやらないでこっちをやるべきだ……と。

今の学校のやり方、文科省のやり方に不満だらけです。

でも、職員室の中で、あるいは居酒屋で、いくら議論しても、仲間内で議論しているだけでは、教育の現状を変えていくことはできません。

教育現場を変えたいと本気で思うのなら……校長先生たちが定年退職後、議員さんになるのが手っ取り早いように思います。

別に国会議員でなくても、市議会議員とか、町会議員とか。

少なくとも地元の教育政策を変えることができるはず。

今の教育はダメだとぼやいているだけではなくて、本気で変えたいとお思いでしたら、ぜひ立候補していただきたいです。

 

今の60歳は、体力がありあまっておられますし、知力も十分です。

後輩たちのため、この国の未来のために、何か行動を起こしていただきたいものです。

 

立候補するのはちょっと……という方は、定年退職後にロビー活動などいかがでしょう。要求したいことがあるのなら、直接、議員さんたちに言いにいかなくてはね。

他の業界の人たちは、普通にやってることだと思われます。

自分たちの考えをアピールをしないで、それでいて要求を叶えてもらおうとしても、それは難しいのではないでしょうか。

学力向上と図書館

先日、愛知県一宮市へ行きました。

尾張一宮駅は駅ビルになっているんですけど、まだ新しくてとても立派な建物です。

私が素晴らしいと感じたのは、駅の上に公共の図書館があることです。

利用者は結構多くて、サラリーマンなどが仕事の帰りに利用するんだそうです。

地方都市の図書館って、駅から多く離れた場所にあることが多いです。

わざわざ出かけていくのはよほどの本好きです。

駅の上に会ったら、気軽に立ち寄れる人が増えます。

そして、本に触れる機会が増えたら、市民は幅広い知識を得ることができます。この人たちが親になり、子育てをしていく際の土台になるわけです。これこそ、広い意味での、壮大なスケールの学力向上につながると思うですが、いかがでしょう。

 

ただ、もしも便利な場所に図書館があったら、行政や図書館に勤めている人にとって「歓迎しない」人たちが入ってくる心配があるだろうと思います。

たとえば、ホームレスの人たち、素行不良の青少年。

でも、この人たちこそ、本を読んだ方がいいと思うんですよ。

いろんな本を読んだら、そこからヒントを得て、自分のやるべきことが見つかるかもしれないからです。

新学期、中学生の自殺が相次ぐ

1月6~8日にかけて、中学生の自殺が相次ぎました。

残念です……。

愛知県で2人、三重県で一人…いずれも中学3年生の男子です。

ちょうど3学期のスタートというタイミングでした。

彼らが死を選んだ本当の理由は本人にしかわかりませんが、原因の一つとして、受験のプレッシャーもあるかもしれません。

 

多くの学校は、学力向上に大変力を入れています。それ自体は悪いことではないと思います。

ただ、学力向上以外はどうでもいいわけではありませんよね。

私が全国の校長先生にお願いしたいのは、「子どもが死にたくならないような学校」にしてほしい、ということです……。

川崎中1殺害事件/このような悲劇を繰り返さないために

 事件が起こってしまった要因はなんでしょうか。
 

川崎市教育委員会は、事件を防げなかった要因として「学校が被害者の状況を十分に把握できなかったことにある」と結論づけました。

 やはり、学校の責任はあるんじゃないかと思います。
 学校の先生たちが、子どもの学力を向上させるために、授業研究を毎日遅い時間までしていることは存じ上げています。ただ、学校の先生の仕事は学力向上だけではないと思います。
 学校は、困った状況になっている子どもを発見できる唯一の場所という役割を担っていると思うからです。近所とのつながりも希薄になっている今、発見できるのは学校しかありません。そこは先生たちに頑張っていただくしかないでしょう。
 それに、母子家庭のお母さんがひとりで稼いで家計を支えようとしたら、毎日くたくたになるまで働くことになり、役所にも学校にも自分から行かないと思います。相談機関へ出向くには仕事を休まなくてはならず、休んだら、その分、給料が減ってしまうからです。
 だからこそ、今回の事件でいえば、学校はスクールソーシャルワーカー(SSW)さんを要請して、お母さんが少しでも子どもといる時間を増やすために、できる支援はないのかを、考えてみてほしかったと思います。
 貧困家庭かどうかは、外から見ているだけではわからないですし、見つけるのは難しいと思います。しかし、金銭的に恵まれない子どもを放置したら、将来は犯罪者になってしまう可能性があります。よりよい社会をつくっていくためにも、社会は子どもたちを見捨てず、立派な納税者に育てる必要があるはずです。


 それともうひとつ、「学校という垣根を越えたトラブルだったこと」もポイントだと思います。
 学校はこれまで、学校内の生徒間のトラブルに介入してきました。いじめも。ケンカも。しかし、この事件で明るみになったのは地域の不良少年と男子生徒のトラブルです。学校の外の世界の話です。
 男子生徒の学校の友達がラインでトラブルを知っていながら、誰も学校の先生に相談しなかったのは、「先生に相談することじゃない」と思っていた可能性があると思います。だからといって、警察に通報はできませんよね。こわくて。復讐されるかもしれないし。
 学校の外でのトラブルになると、中学校の先生が出ていって解決するのは無理でしょう。かといって、警察の出番かというと、そこまで大きな問題でもないわけです。入院するほどのケガを負ったとか、乱闘事件が起きたとか、そのような大きな事件が起こっていなければ、「警察は動いてくれない」と考えるのが普通です。
 
 しかしですね、いじめが学校内だけの話だったのは、中学生にスマホが普及する前までの話だと思います。今はみんな、簡単につながってしまえる時代になったのですから、トラブルも学校を越えて起こってきてもおかしくないでしょう。
つまり、大人たちのシステムを変える必要がある、ということです。警察と地域の中学校の生徒指導の先生たちが情報を共有し、要注意の子どもが出てきたら、その子の家庭環境を改善するべく、生徒指導の先生と福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカー(SSW)さんが協力して取り組んで欲しいと思っています。
 夜の街をうろつく子どもたちは、家庭に何らか問題を抱えているケースが多いですから、SSWさんに活躍していただきたいところです。