日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

この歴史的転換期に。先生たちを応援しています。

2020年度の全国学力・学習状況調査が中止されました。

この全国学力調査は2007年から実施されていますが、中止されたのは二回目です。

一回目は、2011年。東日本大震災の年です。

つまり、この全国規模の調査が実施できること自体が、平和の証であったのだなぁと、今さらながら感じています。

ただ、これまで通りのやり方で、今後、実施する必要があるのかというと、それはどうでしょう。

新たなやり方を検討する必要があります。

今までやってたから、という理由では実施する意味はないと思います。

 

今、日本の教育の構造そのものが大きく変わりつつあるからです。

これまではクラスの子ども、30人なり、40人なりが一か所に集まるという前提で学校教育は成立していました。

OECDPISA調査の結果を見ても、日本の子どもの成績は常にトップクラスで、この仕組みはものすごくうまくいっていたと思うのです。

しかし、うまく行き過ぎていたがゆえに、柔軟性を欠いてきていました。

戦後、長い時間をかけてがっちり固められてきたシステムです。

子どもの数が減ってるのに、

不登校の子どもが増えているのに、

外国籍の子どもが増えているのに、などなど、状況は変わっているのに、別に大元のシステムを変えなくてもいいだろうと、部分的にちょこちょこ修繕しながら、ここまで来てしまったのです。

 

今回の緊急事態により、30人なり40人が同じ場所で一斉に授業を行うという前提は崩れました。

非常事態です。

誰もが手探り状態です。

この混乱期に、日々、子どもたちのために考えて行動されている先生たちには本当に頭が下がります。

 

ただし、文部科学省が言ってることをやってれば、OKではないと思います。

文部科学省はわかってない、その通りだと思います。

文部科学省が言ってることをやれば、うまくいくとは限りません。

もちろん、全国一緒は無理です。

文部科学省からの変な指示には、校長先生がうまく「やってるふり」をすればいいのではないでしょうか。

 

学校の中には、保護者がしっかりしていて、そんなに学校が介入しなくてもいい学校もあれば、学校がしっかり導いていかないといけない学校もあると思います。学校の実態に合わせないといけないわけです。

とにかく今、各学校が、学校の実態に合わせて、できることをする、これが大事ではないかと考えます。

 

しばらくは、全国の子どもがみんな、通信教育になるのです。

カドカワがやっているN高校のシステムなども参考にしながらできることをしていくしかないでしょう。

ただし、映像授業については、校内にものすごく詳しくて、そういうのがものすごく好きな人がいない限りは、無理して作成しなくてもいいと思います。

作ったら間違いなく、映像の質、授業の質を、全国規模の有名な塾や予備校と比較されるからです……。貴重な時間を使って「とりあえずのもの」を作成するよりも、今は、あるものを探して使っていくというのが賢明ではないかと思いますよ。

 

おそらく、課題の出し方、子どもとの接し方など、先生たちが考えてどんどん進める学校が出てくると思うのです。そういう学校からまずは動きだしてもらって、良い例をつくって、広めていっていただきたいところです。

チャレンジすると、失敗することもあると思いますが、失敗を怖れていたら、何も始まりません。

失敗を恐れすぎた結果……、今、校内のパソコンが非常に使いにくいものになっているわけです。

今は非常事態です。アイディアを出し合い、無駄な規制をとっぱらい、どんどん動いていくことが重要でしょう。

 

反対に、主体的に動けない学校もあると思います。これは校長先生のお人柄によるものですから……。

このような学校は、先を進む学校の動きを見て、自分たちにできそうなことを取り入れてゆっくりとついていく、という方法もあるかと思います。

 

学校には、今までの常識が通用しなくなりました。

はっきり言って、学校はこれまで、出る杭が思いきり打たれる職場だったと思うのです。本当に。

そこも変えていきましょう。

出る杭、上等じゃないですか?

 

これは、新しい学校をつくるようなものだと思うのです。

この歴史的転換期に立ち合えたのは、ある意味すごいことです。

先生方は文部科学省の言いなりにならないで、本来の賢さを発揮してくださいね。

何もなくなった更地に、あなたなら、どんな学校をつくりたいですか。

どんな子どもを育てたいですか。

まずはそこからですね。

先生たち、応援しています!