日本の教育を考える

日本の教育が少しでも良い方向に進化していってほしいなと願いつつ、感じたことを書いてみます。

9月入学…4か月後に実施するのは反対。実施するなら段階的に。

全ての学校を9月入学にしろと、

高校生が署名活動をしているそうですね。

こうやって高校生が自分たちの主張を持ち、行動を起こすこと事体は、素晴らしいと思います。

小学校、中学校、高校の先生たちが、アクティブラーニングや主権者教育を行ってきた成果でしょう。

 

9月入学に変えることに関して……。

今後のために、世界の大学と、日本の大学が入学時期を合わせる必要があることは理解できます。

(ただし、仮に日本でコロナ禍が終息したとしても、他の国はどうなるかはわからないわけです。今までのように各国が留学生を歓迎するかどうかどうかは不透明です。日本だって留学生を受け入れるのには慎重になるでしょうし、日本人を受け入れてくれる国は限られてくると思いますが。)

 

今回は、どうせなら大学も、高校も、中学校も、小学校も、保育園も幼稚園も全部入学時期を変えてしまえ、と言われてるわけですが……、それには反対です。

それを実行するのは、4か月後ではないと思います。

現在の混乱に乗じて、えいやっと強引に進めるべきではないでしょう。

 

そう考える理由は二つあります。

一つ目は、文部科学省のお役人は、あまり事務処理能力が高くないんじゃないかと思うからです。

みなさん、昨年11月、大学入試への英語の民間試験導入が延期されたことを覚えていらっしゃるでしょう。

英語の入試方法を変えること、その考え方自体は間違ってないと思いますが、準備が間に合いませんでした。

 

今回の件でも、「9月入学」という考え方自体は間違ってないと思います。

しかし、たった4ヶ月で幼稚園・保育園から高校、大学まで、全部の校種のしくみを変えることができるとは思えません。現場の混乱が予想されます。

しかも、9月にコロナの感染状況がどうなってるのか誰にも予測できない中で、9月に入学と決めるんですか!? それは乱暴だと思います。

学校の先生たちの中には、変化にすぐに順応できる人もいますが、そうでない人もいるでしょう。不安定な日々の中で、さらにこんな大きな変化を受け入れるには、心の準備が必要な人も多いのではないかと思うのです。

今、年長さんになったばかりの保育園児で4~8月生まれの子どもは、いきなり9月から1年生になってしまうわけです。本人も保護者もびっくりでしょう。

これらは論理的な理由ではありませんが、人の気持ちも大事だと思うんですよ。

 

 「9月入学」へと変えて行く、と決めるのはいいですけど、実施は段階的に行うべきです。

高校生が望むのなら、まずは高校と大学から。

例えば、2020年度は高校と大学。

2021年度は中学校、2022年度は小学校とかね。

いろんなやり方があると思います。

国として方法などを検討していただくのはけっこうですが、4か月後に全校種で一斉に実施なんてことは、できればやめていただきたいと思っています。

 

 理由の二つ目は、文部科学省にとって今、大事なのは、9月入学の検討をすることよりも、現在、休校中の全国のすべての子どもたちに、学びを提供すること、その支援をすることだと思うからです。

例えば、文部科学省には教科調査官という優秀な先生たちがたくさんいるわけです。その人たちが中心になって、各教科の授業動画をつくったらどうですか。

そして、それを例えば、テレビで放送するんです。

テレビなんて、時代に逆行すると言われるかもしれませんが、コンピュータ一人一台が配備されるまでのつなぎとして、今、ほぼすべての家庭にあるのはテレビなんですから、テレビを使うべきだと思います。

緊急事態なんですから、文部科学省が地上波のチャンネルを作って、一日中、授業動画や文化を紹介するような動画を流せばいいんではないでしょうか。

国がやろうと思えばできるんじゃないですか!?

家にコンピュータがない、wifiがない、スマホはあってもギガが足りない、そんな子どもたちのために、ぜひ文部科学省がテレビ放送をしてほしいと私は思っております。